2006.09.28 Thu
冬の旅
アラーキーの写真集、「センチメンタルな旅、冬の旅」を見た。冬の旅、は、陽子さんの病気から、死に至るまでと、お葬式後などの写真。陽子さんのデスマスクもあった。それはそんなに衝撃ではなかったけれど、亡くなる日?の病室で横たわっている写真。それがショックだった。あの、おそろしい空気が写真の中にあった。ポットとか、お花とか、日常品に囲まれたベッド。もうすぐ死ぬ陽子さん。もうすぐ死んでしまう時間に身を置く荒木さん。写真の横には「死にぎわに、何度も顔を横にふった。イヤ、イヤ、死ぬのイヤ。」という文が添えられていた。
生、っておそろしい。必ず出会い、別れがある。必ずだ。そして、生まれてくる時、もう忘れているけれど、相当苦しい。死ぬ時も多分相当苦しい。それは、遠くから追憶したり、大きな目線から眺めたり、神の視点から見れば、美しい。だけど、生身で対峙する時、それは怖い。