2009.02.12 Thu
夢をありがとう
私の大好きな有馬玩具博物館長、からくり作家、西田明夫さんが今月2月6日、亡くなられた。
博物館を通して、素晴らしい本物のおもちゃの存在を、西田さんの作品を通して、オートマタという、びっくりするくらい、夢のように楽しい物を知った。
「とても素敵なものを見つけた」とうかれて、岡山まで工作教室に参加したり、奥様の経営されているペンションに宿泊したりもした。
はじめてお会いした時、幼稚園の園長さんのようで、陽だまりのような人だなと思った。目が合うと、太陽のようにニッコリして下さった。
西田さんのブログも大好きで、その人生哲学を知るのを楽しみにしていた。
「美しい鳥」のCDを博物館のショップに置いて頂き、ロビーで演奏もさせてもらった。工房でコーヒーをいただきながら、飛び出す絵本を見せて頂いた。夢のようなひとときだった。
ご病気だった事も、亡くなった事も知らなかったけれど、亡くなった翌日、たまたま行った、西宮ガーデンにあった、西田さんのからくりを動かして、クスっと笑う可愛い仕掛けがあったので、「そうだ、近々博物館に行って、工房にいらっしゃったら、あのからくり面白かったです、って言おう」と思っていた。そして翌日、ブログに寄せられたコメントで、亡くなられた事、翌日が葬儀である事を知った。
江原啓之さんの本に「故人はお葬式の場にいることが多く、お焼香をする時に、何か自分に語りかけていないか、聞いている事も多い」と書いてあったので、是非もう一度お話をしたく、葬儀に参列した。お焼香をする時と、念の為、棺にお花をいれた時の2回、「素晴らしいおもちゃと、からくりに出会わせてくれて有難うございました。色々親切にして下さり有難うございました。これからも、おもちゃや西田さんの作品を楽しみながら、人生を過ごしていきます」と話しかけた。
お会いしたのはたった数回だけれど、博物館を通して、作品を通して、そして、お人柄を通して、私の心をひきあげて下さった事に、心から有難うございました。
これからも、西田さんの作品や博物館が、たくさんの子どもや大人にたくさんの夢を与え続ける事、そしてご冥福を心からお祈り致します。
最後にお会いした時「またいつでも遊びに来て下さいね」と言って、太陽のようにニッコリ笑ったお顔を忘れる事はないだろう。